日本では高齢者の数が増加しており、今後ますます増加するとも言われています。そして、増加するのは高齢者だけでなく認知症の患者も増加すると言われているのです。看護師は様々な患者に接することがありますが、認知症の患者とは少し異なった対応が求められます。まず、否定的な言葉を使わないことです。認知症の患者は現実には起きていないことをさも起きたかのように話すことがあります。しかしこのような場面で看護師がそんなこと起きていない、などと否定をすると患者は自分の意見を否定されたと思い興奮状態に陥り血圧や体温の悪化につながる可能性があるのです。

その場合、患者の話を受け入れとにかく肯定することが大切です。また、患者がありもしないことを言ったからといってほとぼりが冷めるまで放置するのも良くありません。放置をしてしまうと、患者は孤独を感じストレスを溜めることで物を投げつけたり暴力を振るったり不満が表面化してしまいます。このような場合、きちんと患者の話を聞きストレスにならないように優しい言葉をかけてあげるのが効果的です。

さらに、メガネや補聴器などの感覚器で患者のケアを行うことが大切です。認知症の患者は入院などにより環境が変わると慣れない生活に苦痛を感じ、認知機能をさらに低下させてしまいます。そのため、できるだけ早く自宅で使用していた上記の物を装着させ感覚器を補い認知機能の低下を抑制することが求められるのです。このように高齢者を看護する場合、時に認知症の看護についての知識も必要になってくるのです。