高齢者と接する際に忘れてはいけないこと

高齢者は症状が変化しやすく悪化しやすいという特徴があります。特に、入院加療を必要とする高齢者は、身体が脆弱で免疫力が低下していることが多いため、易感染状態にあります。看護する上では、疾患だけでなく、全身状態を観察して変化を素早く把握することが大切です。

高齢者とのコミュニケーションで気をつけなくてはいけないことは、その患者が社会生活を営んでいるということを忘れないようにすることです。入院患者は、弱い立場になりがちです。看護師は、治療が続けられるように患者の安静を保つ必要があり、そのためには患者の希望に添えないことも多くあります。一つ一つ丁寧に説明を行い伝えていくことが大切です。高齢者の中には認知症や聴力の低下などで理解力が低下している方もいますが、そういう方にも丁寧に伝えることは必要です。つい強い言葉遣いになってしまうことにブレーキをかけ、できるだけ落ち着いた低めの声で話しかけるようにします。状況に応じて、ご家族の協力を得ることも検討が必要です。

看護師は入院患者に対して、つい言葉遣いが崩れがちになります。しかし、やはり敬意を払って対応することが必要です。高齢者の中には、孫と話しているようで楽しい、と言う方もいます。入院による不安がある中で、看護師が笑顔で丁寧に接していることで安心感が得られているのかもしれません。また、入院という環境変化によりせん妄などの意識精神障害を発症するリスクもあります。看護師は医療者として接していることを忘れず、高齢の患者が入院生活を少しでも穏やかに安心して過ごせるようにすることが大切です。